広島に原爆が投下されてから今年で80年を迎えます。原爆は、一瞬にして多くの命を奪いました。しかし、命を奪われたのは人間だけではありません。動物や植物を含むあらゆる生命が灰となりました。それでも、傷つきながらも生き残ったものもあります。その一つが、被爆したピアノです。
この度、アミークスでは広島からこの「被爆ピアノ」を迎え、「平和コンサート」を開催しました。私は8年生の修学旅行の引率のため参加できませんでしたが、実施担当の先生から当日のビデオを送っていただき、何度も視聴しました。戦争で傷だらけになったピアノの音色は、80年前の原爆の悲劇を思い起こさせるとともに、そのピアノがいまだに奏でる美しい音楽に耳を傾けられる「今」への感謝の念を抱かせてくれました。
アミークスには、多国籍の教員と児童生徒が集い、かつて戦場となった沖縄の地で学んでいます。学校としても平和教育を大切にしており、今回の「被爆ピアノコンサート」は平和の尊さについて考える貴重な機会となりました。
コンサート後、当日の司会を務めた生徒から、担当教員に次のようなメールが届きました。原文のまま紹介します。
「準備から多くのサポートをしていただき、ありがとうございました。今回、MCという立場で被爆ピアノに携わることができ、貴重な経験となりました。私は中学校の委員会活動の一環として、2回戦争地域への募金活動を行いました。その経験を通じて、自分の英語力を活かし、国際社会に目を向けて何か行動を起こせる人になりたいと考えるようになり、高校は英語や国際問題に力を入れている大阪のインターナショナルスクールに進学します。アミークスという、多国籍の文化や考え方を尊重し合える環境で学べたことは、これからの自分にとってとても貴重で大切な時間でした。アミークスで身につけた英語力はもちろん、沖縄に住んでいたからこそ知ることができた沖縄戦についてのことや、他国の生徒たちとの交流、そして今回のような貴重な経験をこれからに活かしていきたいと思います。環境が変わっても、この経験を大切にし頑張ります。今回の被爆ピアノコンサートを通じて、さらに英語力を高め、自分にできることを見つけていきたいと強く感じました。改めて、このような貴重な機会を作ってくださりありがとうございました。」(原文のママ)
アミークスでは、年間を通じて様々な行事を行っています。行事を通じて、児童生徒が自分を見つめ直し、たくましく成長していく姿を見られることは、教師としての大きな喜びです。