沖縄アミークスの図書館は校舎の真ん中に位置しています。図書館を中心に右に行くと1階にG1とG2の教室、階段を上るとG3とG4の教室が配置されています。また、図書館から左に行くと1階にG5、2階に行くとG6の教室が配置されています。図書館から下に降りていくと中学校の教室があります。まさに図書館は蜘蛛の巣の中心のようです。しかも、児童生徒は登校時にこの図書館を通ってそれぞれに教室に向かいます。1日の学校生活は図書館から始まり、何度も図書館の中を通りながら過ごし、最後は図書館を通って下校していきます。その結果、本を目にする機会がとても多くなります。公立学校で,校舎の隅に配置される図書館を多く見てきた私にとっては驚きの図書館の配置です。
さて、アミークスの児童・生徒はその結果、本を読むようになったでしょうか?先日(11月6日)、月1回の小学校朝会(4年生~6年生)がありました。校長講話になっていたので、私は「本が好きな人は手を挙げてください?」と児童に尋ねました。するとほぼ全員が躊躇うことなく手を上げました。「中高生の読書離れ」を見聞きしてきた私には、これにも大いに驚きました。
アミークスでは年に1度、自分の好きは本の紹介という活動があります。G1~G9まで、全てのクラスの全ての児童生徒が自分の好きな本の紹介文を書き、それをクラス毎にファイルにして図書館に置いています。しかも日本語の本と英語の本を1冊ずつです。誰がどんな本を推薦しているのか、誰でも読むことができます。私は先週から今週にかけて児童生徒の書いた「私の好きな本」の紹介文を一人も飛ばすことなく,全部読みました。児童の文章の一部を紹介します。
・最初からは想像できない終わり方ですごく切ない気持ちになりました。(5年生)
・家族愛がわかる優しい物語です。私のめっちゃ泣いた小説ランキング1位です。(6年生)
・この本を読んで私は友達とおしゃべりできるのも幸せなんだなと思いました(6年生)
・ピラミッドの事が良く分かり興味を持ちました。
これらの文章を読んで,読書を通して,児童は他人の痛みや気持ちを思いやる想像力,自分ならどうするのだろうかと考える力,ピラミッドのことが良く分かり興味を持ったなどのように新たなことを学ぶ力が付くことがわかります。これは言うまでもなく,子どもたちが成長していく上でとても大切な事です。
「人の将来は,出会った人の数と、訪れた場所の数、そして読んだ本の数で決まる」というのをどこかで聞いたような気がします。児童生徒が,アミークスで多くの人と出会い,様々な場所を訪れ、たくさんの本を読んで欲しいと願わずにはいられません。